住商モンブラン

働く人の動きの快適性を
ユニフォームでサポート!
RAKUMO(ラクモ)シリーズ
誕生までの道のり

特許取得の「機能性パターン」を取り入れ、働く人の動きやすさを支えるラクモシリーズ。今回リリースとなった第一弾は医療従事者向けのスクラブ&ジャケット。なかでも、リバーシブルスクラブは業界でも注目される画期的なアイテムです。開発から完成までに約5年、その道のりを担当者が語ります。

RAKUMO™ 〜商品開発担当に聞く〜

開発担当者:企画・マーケティング部 
デザインチーム/
チーム長 宮井・デザイナー 植野

RAKUMO POINT 01 「動きやすさ」をデータで証明するために

── まず、RAKUMOの特徴である機能性パターンの開発背景から教えてください。

宮井:これまで以上の動きやすさを目指して、埼玉県立大学 理学療法学科の国分准教授と共同で、科学データに基づくパターン設計の開発に着手しました。これまでも「動きやすさ」を工夫したスクラブは多く存在しており、私たちも改良を重ねてきました。今回はデータを計測・分析し、動きやすさを数値で証明できるスクラブを作りたいという想いから、共同研究が始まりました。

植野:協力してくださった国分准教授は、骨や筋肉の構造に詳しく、ご自身も理学療法士としての経験をお持ちです。国分准教授は骨格的に腕は体の前側についているのに対して、一般的な衣服は真横に袖がついているので、動きを妨げているとおっしゃいました。そこで、肩関節とアームホールの向きの不一致を解消するために、アームホールの向きを少し前側にしたスクラブを作れないかということになったのですが、実はそれが難しくて。

埼玉県立大学 理学療法学科
国分准教授

機能性パターン衣服圧比較

RAKUMO POINT 02 ストレッチ性のない素材でも動きやすさを実現

── その「難しさ」は、どのあたりにあったのでしょうか。

宮井:パターンには、どうしても変えられない重要な寸法があります。たとえば、ある部分が小さくなると、動いたときに別の部分がつっかえてしまい、動きにくくなる。アームホールを前寄りにすると全体のバランスが崩れ、サイズにまで影響してしまうんです。それに、肩まわりだけが動きやすくても意味はありません。そこで、さまざまな動きに対応できるよう、背中側にゆとりをもたせる設計にすればよいのでは、という話になりました。実際に仕立ててみると、袖がやや前振りになるように付き、結果として国分准教授が提案されていた形に近い形になりました。

植野:多くのウエアは体にフィットさせたり、ストレッチ性の高い生地を使ったりして、体の動きに追従することで動きやすくしています。それに対し、今回開発したウエアは、動きを妨げないのがポイントです。背中部分に凸状の空間をもたせることで、動いてもつっぱりません。空間がゆとりの役割を果たすので、ストレッチ性の少ない生地でも動きやすいんです。これはとても大きな発見でした。

動きにくさの原因だった、アームホールの向きを改善!

RAKUMO POINT 03 被験者やアームホールのサイズを変えて何度も検証

── 動きやすさを数値で検証するにあたって、どのようなデータの計測・分析を行ったのですか?

宮井:肩関節の構造とその向きに合わせたアームホールを設計するにあたり、被験者の肩関節まわりに反射マーカーを配置し、腕を動かした際の伸びや弛みを計測するという方法で計測していただきました。ただ、ゆとりのある衣服の上から体の動きを測るのがとても大変で、なかなか正確なデータを取るのが難しかったと聞いています。

植野:ですので被験者の体格や設計を変えながら、さまざまな条件で測定を重ね、最適なバランスを探っていただきました。最初にサンプルをお渡ししてから、ベストな動きやすさのアームホールにたどり着くまで、半年以上はかかったと思います。共同開発がスタートしてからは、約5年かかりました。

RAKUMO POINT 04 理学療法士の視点から捉えた、医療従事者の体の動き

── その結果、特許取得の「機能性パターン」が誕生したわけですね。

植野:実験のデータを資料として提出し、独自のパターン設計で特許を取得しました。最終的なパターンを3D化して一般的なスクラブと比較した際も、腕を動かしたときのつっぱり感は明らかに少なかったですね。

宮井:これまでは腕を上にあげたときの動きやすさを重視したものが多かったのですが、実際は腕を上げるより、抱きかかえなどで前に伸ばす動作のほうが頻繁です。理学療法士でもある国分准教授が、医療従事者の体の動きをよくご存知だったことも今回の設計に生かされています。

── そのほかにも、開発の中で重視されたポイントはありますか。

植野:機能性パターンだけでなく、素材にもこだわりました。ひとつは軽さを重視した素材です。着た瞬間にいちばん違いを感じるのが軽さなので、RAKUMOのために新素材「タスランストレッチトロ」を採用しました。ポリエステル特有のギラつきがなく、上品な風合いも特徴です。もうひとつは、ストレッチ性に優れた素材「ライトフィックス®ツイル」。機能性パターンに加えて素材もストレッチ性があるので、動きやすさがさらに高まっています。

[ラクモ]の動きをさらに引き出す新素材!

  • 驚くほど軽快な着心地!
     

    タスランストレッチトロ
    (ポリエステル100%)

    まるで天然繊維のようなマットな質感に「軽量・ストレッチ性」を備えた素材。想像以上に軽く、動きに沿う伸縮性で快適な着心地を実現。

  • 布1枚でリバーシブル!
     

    デュアルトーンツイル
    (ポリエステル100%)

    裏表でトーンが異なるカラーを表現したリバーシブル素材。高密度ツイル組織で適度なハリコシがあり耐久性も抜群。肌あたりも考慮し両面共に快適な着心地を実現。

  • バネのような
    ストレッチ性が魅力!

    ライトフィックス®ツイル
    (ポリエステル100%)

    ポリエステルをバネのような形状に加工することで、優れたストレッチ性を発揮。 上品な微光沢は、顔うつりを綺麗に明るく見せるレフ板効果も兼備。

RAKUMO POINT 05 1枚の生地でリバーシブルを実現するという挑戦

── RAKUMOシリーズの中でも、特に注目度の高いリバーシブル仕様ですが、どのようなきっかけから生まれたのでしょうか。

植野:最近、日勤・夜勤でユニフォームを色分けすることで、残業時間が減ったという事例が出てきています。そうした流れもあり、病院からは「日勤・夜勤の見分けがひと目で分かること」を求められる場面が増えてきました。袖をまくって色を見分けるなどの方法もありますが、患者さんや医師からも分かりやすいのは、色を分けること。そこで、1着で色を識別できるリバーシブル仕様が現場のニーズに合うのではと考え、開発に至りました。

宮井:単純に考えれば、2枚の生地を縫い合わせればリバーシブルにはできます。ただ、それだと重くなりますし、縫製の手間やコストも大きくなってしまう。そこで今回は、1枚の生地で表と裏の色を変えるということに挑戦しました。

オモテ ウラ

RAKUMO POINT 06 100色以上を試してたどりついた理想の発色

── どういったプロセスで形にされていったのですか?

宮井:まず、制電糸を見えないようにすることから始めました。ユニフォームには静電気を防ぐ糸が裏側に入っているのですが、リバーシブルにするとそれが見えてしまう。その点をクリアするために、生地メーカーと試作を重ねました。

植野:色付けに関しても苦労しました。表裏の色の差がわずかだとリバーシブルだと分かりにくくなりますし、淡い色のほうに濃い色が透けて混ざって見えたり、お互いの色が影響し合ってしまうんです。そこを考慮しながら、これまでにない数のビーカー染め(色出し試験)を依頼し、理想の色を追求しました。おそらく、100色ぐらいは出してもらったと思います。1枚の織物を表と裏で染め分けるのは、想像以上に難しかったですね。いろいろな素材を吟味した結果、デュアルトーンツイルという素材が誕生しました。洗濯耐久性もクリアした素材です。

RAKUMO POINT 07 目指したのは、リバーシブルを意識させない見た目と着心地

── 生地の方向性が見えてから、どのように形に落とし込んでいったのでしょうか。

植野:サンプルを試着していただいた看護師の方から、「アイデアは良いが、裏を着ているのが分かる」という声がありました。そこで、リバーシブルであることを意識させず、表裏どちらも普通に着られることを意識して縫製や構造を見直しました。たとえば最初のサンプルでは、片面に合わせたステッチが反対側にも目立っていたため、最終的には上糸と下糸の糸色を変えて対応しています。裾はすべてテープ始末にし、見た目をすっきりさせつつ、ゴロつきのない着心地に仕上げました。

宮井:ポケットも、表裏で印象が変わらないよう同じ付け方にしています。中でつながった構造になっているのですが、これはリネン業者さんからの声がきっかけでした。洗濯前にポケットの中を両方チェックする手間を減らすため、どちら側から手を入れても同じポケットに入る仕様にしています。見た目はすっきりしながら容量もしっかり確保でき、結果として使う方のニーズとも合致しました。

── 表と裏、どちらを着ても違和感がないように仕上げるというのは、かなり大変なんですね。

宮井:襟ひとつとっても、どう付けるかで見え方がすごく変わります。切り替えやステッチが多いとどうしても裏っぽく見えてしまうので、そのバランスには気を使いました。配色やスリットの入れ方など、着る方が気付かない部分にもこだわりが詰まっています。

植野:それとやっぱり、着てみたいと思っていただけるように、見た目をどうかっこよく仕上げるか、デザインを考えるのが大変でした。

RAKUMO POINT 08 職種や勤務帯に応じた心理効果も考慮した、多彩な色展開

── カラー展開も豊富ですが、色はどのように選ばれたんですか?

植野:色については、表と裏できちんと違って見えることを前提にした上で、色が与える心理的な印象も意識しています。たとえばネイビーブルーは、信頼感やきちんとした印象を与える色。そういった色の心理効果を整理しながら、それぞれに合う色を選んでいきました。

宮井:日勤・夜勤の切り替えだけでなく、部署ごとに表裏を使い分けるといった運用も想定しています。リハビリ担当なら前向きさや安心感を与える色というように、色に意味づけがあることで選びやすくなるのではないかと考えました。規模の大きい病院では10色前後の展開が求められることもありますし、最近は多様性を重視して好きな色を選べる病院も増えているので、カラバリが多いことでさまざまなニーズに応えられるのではと思います。私たちも初めてのチャレンジなので、これで終わりではなく、現場の声を聞きながら今後も改良を重ねていきたいですね。

埼玉県立大学 理学療法学科との
共同研究から生まれた
「機能性パターン」を取り入れた
メディカルウェア

スタイルの違うデザインが6型と
リバーシブルタイプ1型

RS001 RS002 RS003 RS004 RJ500 RJ001 RS005